
とある夜、渋谷のチェコ料理カフェ『アノ』にて、「しまおまほさんと、チェコ総合雑誌『CUKR(ツックル)』梶原初映編集長を囲む、カフカを生んだ国、チェコについての座談会」が行われたーーしまおさんは、チェコをどう感じているのか?(その3)
■しまお そういえばこの座談会って、「カフカ」のための座談会なんですよね? ……実は私、カフカ、全然読んでないんですけど。
—私も『変身』の、最初の2行くらいしか、覚えてないんですが。
■梶原 あ、その2行で充分かもしれません(キッパリ)。
—いいの?
■梶原 いや、読みたければ読むといいと思いますが。
—……えーと、今回の、このお芝居観覧をキッカケに、皆で読むといいかも、とか一応フォローしておきますが…はい。
■しまお そういえば、村上春樹さんが、カフカ賞、とってましたよね。それで、カフカ賞じゃしょうがないやって、授賞式に行ってましたよね?
■梶原 あー、行ってましたねえ。
—梶原さん、村上春樹ファンじゃないから、そのへん全く、興味ないっぽいですねえ。
■梶原 ええ…村上春樹のチェコ語翻訳をした人には、インタビューしましたが。そういえば「カフカ」って、カラスって意味なんです。
■しまお カラス?
■梶原 でもチェコのカラスって、日本のカラスと違って、真っ黒とかじゃなくて、ひとまわり小さくて、茶色っぽいんです。
—野鳥っぽいですよね。イメージが、日本のとはかなり違いますよね。
■しまお それ、見てみたい! かわいいでしょうね。
—そういえば、せっかくしまおさんを囲んでいるのに、「かわいいもの」の話が、全然出てこないんですけど、いいんですか?
■編集部M氏 いいんじゃないですか?
■梶原 まあ、ほんとに、とくに「かわいいもの」の国じゃないので。
—服とかも、お洒落、というより機能美優先で。「スポーツ用品売り場」みたいな服着てるかた、多いですよね。
■梶原 多いですねえ。
■しまお ロシアとか…欧州って、ロンドンとパリ以外は、べつにお洒落してないですよね(笑)。
—日本に出回ってるチェコの本って、日本人向けに情報編集されてますよね。日本人の琴線にふれた、かわいいものを、日本人流に撮影して作り込んで。
■しまお じゃあ、実はやっぱりビールの国ですか?(笑)
—エロやグロも、充実してますよね?(笑)。
■しまお チェコの映像作品、グロいのありますよねえ。
■梶原 なんというか……日本人感覚で言うと「グロいかな」というものが、普通にあるんですよね。豚一頭を屠畜して食べる、「ザビイェチカ」っていう季節のイベントがあったり。
—シュヴァンクマイエルが生肉をコマ撮りアニメにしたり……チェコって日本人的にはビビっちゃうようなカラダの表現が多いですけど、向こうでは、すんなりと自然にあるもの、みたいですね。
■梶原 そうなんです。とくに「奇をてらって」やってるものじゃないんです。
■しまお ほっとくと、そうなっちゃうんですか?
■梶原 そうみたいです。
—なんでしょう。昔、『キン肉マン』ってアニメで、ミートくんがバラバラになる話っていうのがありましたけど…。
■しまお あったー!! あのミートくん、すごかった!!
—あれ、ほんとトラウマになりませんか? でもチェコでは、ああいうノリが、ごく自然に…。
■しまお あるんですね(笑)。
—ちなみに今食べてる、この「酢漬けソーセージ」の名前も、確か…。
■梶原 チェコ語の料理名は「水死体」って名前です。
■しまお 水死体!(笑)
■梶原 チェコのエロ新聞も、すごいんですよ。
■しまお え、どうすごいんですか!?
(つづく)