
とある夜、渋谷のチェコ料理カフェ『アノ』にて、「しまおまほさんと、チェコ総合雑誌『CUKR(ツックル)』梶原初映編集長を囲む、カフカを生んだ国、チェコについての座談会」が行われたーーしまおさんは、チェコをどう感じているのか?(その4)
■スローラーナー田澤 ちょっと待ったー! エロティシズムと新聞の話と言えばー!
—あ、映画『カフカ 田舎医者』宣伝担当の田澤さん、なんですかいきなり。っていうか、既にチェコビールで、酔ってますよね…?
■田澤 酔ってませーん!(酔ってる)。これ、見てください、これこれ。
■しまお あ、金原ひとみさんだ。
■梶原 芥川賞作家の。これまたセクシーな衣装ですね。
■田澤 実は、金原ひとみさんが、『カフカ 田舎医者』で、初声優参加するってことで、デイリースポーツに、こんなバーンと!
■梶原 バーンと、大きく載ってますねえ。
—唐突ですねえ。
■田澤 金原ひとみさんがラジオに出ていた時、山村浩二監督が声をきいて、「自然な女性のエロスを感じさせる声だ、役柄のイメージにぴったり」と、オファーしたら…決まったんです!
—作家さんなのに声のお仕事! 題材がカフカだから、っていうところも、あるかもしれませんね。
■梶原 カフカパワー、あるかもしれませんねえ。
■しまお でもデイリースポーツに「カフカ」って載ってるのって、ちょっと変な感じしますね。
—違和感あるような、ないような。
■梶原 そういう隙を突いてくるのがチェコなんですよ!
■しまお ……ところで、チェコのエロ新聞の話は!?
—そうそうエロ新聞。あれ、私も見せてもらったんですけど…。
■梶原 日本だったら、若い女の子の半裸が表紙なんでしょうけど、あれ、ほぼ全裸でしたよね。ーーモデルさんとは言い難い感じの、肉付きのいい40歳前後の女性が、真っ昼間、裏庭かどこかでパンツを脱ぎかけているという、謎のポーズで。
■しまお えっ。
■梶原 中はもちろん修正なしで。きれいなモデルさんもいれば、かなり年配のモデルもいて。50歳くらいの女性が「台所用品でえっちなことをする」というテーマで、トウモロコシを使った写真を撮ってたり。チェコの伝統的お菓子で「オボツネー・クネドリーキ」というのがあるんですけど、それを使ってたり。
■しまお へえー。「オボツネー・クネドリーキ」、このお店のメニューにはないのかな(笑)?
■梶原 (メニューを見ながら)……あ、残念ながら今は無いみたいです。
—あと、男女まざって3人とか、男性同士とか、「日本ではたぶん、趣味ごとに、雑誌が分れてるんじゃ?」っていうものが、いっしょくたに載ってましたよね。
■梶原 そうそう。あと、パートナー募集欄の区分も衝撃でしたよね。「彼が彼女を(募集)」「彼女が彼を(募集)」「彼氏が彼氏を(募集)」「彼女が彼女を(募集)」「彼が彼らを(募集)」「彼女が彼らを(募集)」「彼らが彼を(募集)」「彼らが彼女を(募集)」「彼らが彼らを(募集)」。
■しまお つまり…?
■梶原 つまり、普通の恋人募集から、同性愛のかた、特殊な趣味のサークルまで、幅広くカヴァーしてるんですね。
—語学の勉強に最適。
■梶原 そう、「彼らが~」とか、人称って覚えにくいところなんですよね。だから教材に最適。
■しまお 忘れられないですね(笑)。ていうか、チェコは、性にはおおらかなんですか?
—えーと、t.A.T.uみたいなノリですかね? t.A.T.uはロシアですけど
■梶原 ですかねえ。
■しまお なるほど。
—……あのう、こんな話をしてて大丈夫なんでしょうか。「チェコの可愛いものの話」とかに、全然ならないんですけど……ちょっと、編集部M岡さん! M岡さーん!!
■M岡 ウイーッ、ぜんぜん大丈夫です!(酔ってる)
—……やばいかも。チェ、チェコの可愛いっぽい話しときましょう。角砂糖の話とか。
■しまお 角砂糖とチェコ、なにか関係あるんですか?
■梶原 角砂糖を発明したのが、チェコ人なんです!
■しまお ほほー。
—ほか、細かい話をしてきましょう! カッパの話とか!
■梶原 あー、カッパは今、キてますからねえ。
■しまお ……カッパ? チェコにもカッパがいるんですか?
■梶原 これが、いるんです!
(つづく)
(編集部注)今の壁紙はチェコの鉄道を、しまおさんがイラストにしてくれたものです。