コンピュータ将棋レビュー

世界で2番目に弱いコンピュータ将棋決定リーグ戦 Part4


●参加ソフト

●ルール等

●経過&実戦譜

新加入候補のi-将棋。さっそく最弱リーグ戦参戦ソフトから、「なり金将棋」にお相手願いました。

○i-将棋 vs ●なり金将棋

幸運な反則勝ちで1勝を収めただけの「なり金将棋」は敵ではなかった。軽くひねり倒してとりあえずの1勝。
しかし若干レスポンス速度に不安あり。これで1手30秒の-JUQRYO-戦を戦えるだろうか。

難題は早いところ片付けよう、というわけで-JUQRYO-と戦ってきます。切れ負け以外で決着がついたら最弱リーグに正式参戦させます。

……残念ながら2回挑んで2回切れ負けとなりますた。i-将棋、リーグ戦出場ならず。

というわけで次なる参戦者は「お城将棋」。
ダウンロードして解凍したそのままの状態ではコンピュータとの対局ができない。てっきりただの将棋盤ソフトだと思って放置していたが、ドキュメントを何度も読み返してようやくコンピュータ対局を可能にする方法が判明……もうやだ。

○Kusuta将棋2 Ver 2.00 vs ●お城将棋 Version 1.16

終始Kusuta優勢。駒得の上に龍と馬を作って必勝形かに見えたが、攻めの切れた一瞬の隙を衝いて、お城将棋が劇的な逆転勝利を収める。

●お城将棋 Version 1.16 vs ○うさぴょん 2002年大会版

まったく同じ駒グラフィックと、酷似したインターフェイスを持つ両者の対局は、本大会屈指の名局となった。 
謎定跡を使うソフトがほとんどの本大会にあって、目の覚めるような本格相矢倉。
白熱した攻防の中、大技が決まって(66〜68手)後手優勢となったが、先手お城将棋は、なお一歩も引かぬ堂々たる戦いぶりを見せた。
最後は守り駒を一枚一枚はがされ、先手無念の敗戦となったが、勝者となったうさぴょん、敗れたお城将棋の両者に心からの賛辞を送りたい。

●なり金将棋 vs ○お城将棋 Version 1.16

先手、交換するはずの飛車をタダ捨てという大ポカ。これで形勢は決した。なり金将棋、お城将棋に惨敗。一気に最弱候補の筆頭へ。

  K J FM   SOS SOSOS
うさぴょん 2002年大会版           3勝0敗 3 18
K-Shogi Ver 0.6           3勝0敗 1 18
お城将棋 Version 1.16           2勝1敗 6 11
Kusuta将棋2 Ver 2.00           2勝1敗 3 17
なり金将棋           1勝2敗 5 15
-JUQRYO-           1勝2敗 5 11
全譜君 Ver 0.8           0勝3敗 7 9
FM将棋I 2.74           0勝3敗 6 9

※SOSは対戦相手の勝ち数の合計、SOSOSは対戦相手のSOSの合計。順位は勝率→SOS→SOSOSという優先順序により決定される。

全ソフト3戦を終え、先頭に立ったのはうさぴょん。そのうさぴょんと大熱戦を演じたお城将棋が3位につけている。
首位を明け渡したK-Shogiは、うさぴょん、お城将棋といった強豪との対局が控えており、苦戦が予想される。
お城将棋に逆転負けを喫したKusuta将棋は、これからの1局1局を大切に戦い抜き、K-Shogiとの「宿命の対決」につなぎたい。
なり金将棋は低迷。「幸運な反則勝ち」の1勝に終わってしまうのか?
FM将棋と全譜君はいまだ勝ち星がない。FM将棋が「不幸な反則負け」で最弱とされてしまうのか? 全譜君、力及ばず無念の零敗を喫するのか? 両者の奮起が望まれる。
そしてわれらが-JUQRYO-は6位。日々進化を続ける将棋ソフトの未来形、ここから奇跡を起こすか?