コンピュータ将棋レビュー
第3回コンピュータ将棋学生選手権
礒部将棋−AI将棋はAI将棋の三間飛車。礒部将棋がうまく指していたのだが、一本取ってからの指し手が判らなかったようで、水平線効果でまくりの手待ちを繰り返してしまう。逆にAI将棋はゆっくりと自陣を整備し、銀を殺して優位に立った。最後は礒部将棋の一瞬の隙を突く角切りから怒涛の寄せで全勝優勝を達成。貫禄を見せつけた。
TACOS−大槻将棋は大槻将棋の三間飛車。金銀４枚で固めたTACOSが飛車交換に応じたために捌きあいに。熱戦だったが、終始優勢に進めたTACOSが押し切った。終盤の▲５二銀などを見る限り「待ち駒」の概念をちゃんと理解しているようで、終盤力の確かさを感じた。
うさぴょん−SPEARはうさぴょんの８五飛戦法。横歩取り系の将棋は読みよりも定跡ファイルの多寡が勝負を決める感じなので、大丈夫かなぁ……と思っていたら案の定（笑）△３五歩。８五飛戦法を指そう、という人だったら絶対に指さない一手だと思う。すいません、振り飛車党なんで「思うだけ」なんですけど（爆）。
また、そのあとの△４一金もまずく、これで強い戦いができなくなってしまった。なのに飛車交換をしたもんだから、ダイレクトに▲８二飛（６二の銀取り）と打たれて、これで勝負はついた。そこから粘るうさぴょんだったが、なにしろ玉の安全度が違いすぎる。結局SPEARが勝ち、ともに３−４という成績となった。
Sexy-AIと永吉将棋はSexy-AIの中飛車。中飛車で５八に飛車がいる状態で、いきなり△５五歩には驚いた。しかしそのあと▲７七角△５六歩▲４六歩という驚愕の展開（笑）。△５五歩の仕掛けは成立したのか！？
その後は想像を絶する将棋となったが、悪手が少なかったSexy-AIが勝利した。この両者はもう少し改良の余地があると思う。なんにしても、Sexy-AIは嬉しい初勝利だ。