コンピュータ将棋レビュー
第3回コンピュータ将棋学生選手権
AI将棋−うさぴょんはAI将棋の四間飛車穴熊。うさぴょんがうまく主導権を握ったのかと思ったのだが、「王手○取り」が常に残ってしまい、結果としてあまり効果的でなかった。人間だったら穴熊に囲うとか△1二玉とするとか工夫するところなのだろうが、その展開を純粋に読んでいくとなると相当手数を読まないといけなくなるのでコンピュータにはまだ無理かもしれない。駒得をしてからはAI将棋が豪快に寄せ切った。
SPEAR−礒部将棋は礒部将棋の雁木。早めに△1三角と角交換を挑んだSPEARだったが、逆に端攻めを喰らってしまった。その後、礒部将棋は駒を自陣に打ち付けて厚みを作り、それからおもむろに攻め始める。かなりうまさを感じさせる手順で、礒部将棋の強さを感じた。終盤の▲4四歩の寄せ、13手詰めの読み切り(でないかもしれないが)も見事だった。
Sexy-AI−TACOSはSexy-AIのツノ銀中飛車。しかし、7筋を交換してきたTACOSに対して、歩を受けずに更に▲7七桂と上がってしまったので△7六歩で簡単に桂損。続いて△7七歩成に▲同角と取ったため△同飛成▲同金△6八角と飛金両取りがかかってしまった。▲7九飛打の自陣飛車で凌いだものの、受け一方になってそのまま破れた。そこからの粘りは凄かったので、中盤で駒損しないようにしていけばかなり強いプログラムになるのではないだろうか。
最後の大槻将棋−永吉将棋は大槻将棋の三間飛車。しかし、永吉将棋はなんとカニ囲い(爆)。居飛車−振り飛車の判断ミスだろうか。その後、自分から端を破らせたりと不可解な指し手を続け、あっという間に散ってしまった。
うさぴょんが失速し、AI将棋−礒部将棋の直接対決で優勝が決まることになった。
TACOSは2敗を堅持。できれば最後も勝って単独3位になりたいところだろう。このあたりはうさぴょん、SPEAR、大槻将棋と4つ巴の乱戦である。
Sexy-AIと永吉将棋は最終戦で初白星を賭ける。果たして、念願の初勝利を手にするのはどちらか。