コンピュータ将棋レビュー
第3回コンピュータ将棋学生選手権
SPEAR−AI将棋は相矢倉。綺麗な形からうまくSPEARが捌いたように見えたのだが、▲７六歩〜▲１四歩という組み合わせが悪かったのだろう、端攻めは不発になるし歩切れにはなるしと散々。ここで攻めが切れてしまった。反撃に移ってからのAI将棋はあっという間にSPEAR玉を詰ませてしまった。
うさぴょん−礒部将棋はうさぴょんの中飛車。△５二飛と全面戦争を買って出た礒部将棋に対して、うさぴょんは▲２二角成△同銀▲１五角と、まるでコンピュータ将棋シロートみたいな手を指してしまった。これでは勝てるはずもなく、自然に駒得した礒部将棋がそのまま寄り切った。礒部将棋強し！
TACOS−永吉将棋は相矢倉。しかし組みあがる前に永吉将棋はいきなり△５五歩▲同歩△４四銀と仕掛けに出る。しかしこれはさすがに無理筋で、TACOSが難なく優位に立った。
ところがここからTACOSが小ミス。先手の金が５六、後手の角が２四という局面で不用意に▲５七銀と上がってしまったのだ。すかさず△４五銀とされて金銀交換が確定（▲４五同金は△５七角成がある）し、再び混戦模様に。
ところがところが、その直後にいきなり永吉将棋は△６八角成。何の成算もない（ように見える）角銀交換をしてしまい、あとはズルズルと駒損を繰り返すばかり。どうしたんだ一体。山のような駒をもらったTACOSは、素早く寄せてしまった。
大槻将棋−Sexy-AIは相振り飛車。大槻将棋の▲７四歩に△同歩と取らないSexy-AIはいきなり桂損に。そのまま一直線に負けのコースを取ってしまった。▲７三飛成の飛車切りが盲点だったのかもしれない。それより、最後の３手詰みを見逃すというのが問題かもしれない。持ち時間が少なくなるような将棋ではないし、なにか（プログラム上の）錯覚でもあったのだろうか。
うさぴょんが破れ、全勝の２強が走り続ける結果となってしまった。２強との対決には破れたものの、他にはしっかり勝っているTACOSも２敗でつけている。優勝はこの４ソフトに絞られそうだ。
一方、いまだにSexy-AIと永吉将棋は勝ち星なし。頑張れ。