コンピュータ将棋レビュー
第2回コンピュータ将棋王者決定戦
2002年10月18/19両日をかけて、第2回コンピュータ将棋王者決定戦が開催された。その全棋譜が手に入ったので、ここで紹介したい。
なお、ここでは全てのソフトを商品名で呼びたいと思う。YSSはAI将棋だし、IS将棋やKCCは東大将棋や銀星将棋とする。この方が一般には判りやすいと考えたからである。ただし、SHOTESTは数が多すぎるのでそのままね(笑)。
こちらを参照。
http://www.shogi.or.jp/forum/cpu.html
東大将棋とAI将棋が同率優勝を果たしました。
序盤「もしや!?」と期待を抱かせてくれた柿木将棋は惜しくも星1つ差で3位。また、東大将棋を破った金沢将棋は4位に入りました。
不調だったのは激指と銀星将棋で、ともに5位。特に激指はコンピュータ将棋選手権で優勝したばかりなのでこの結果はちょっとビックリです。
もっとも、柿木さん本人の言によると「対激指戦は必敗の将棋を拾った」とのことなので、この星が逆なら結果は違っていたところではあります。一方の銀星将棋は「同一パソコン使用」という条件が足を引っ張ったものと思われます。ここでこういうことを言うのはちょっとミスリードかもしれませんが、高スペックでないと動かないんだとしたら、その製品は買い手を選ぶって事ですよね。購入の際は考えた方がいいかもしれません(事実に反していたら失礼)。というか、それだけまだまだ銀星将棋は改良の余地ありってことで。
永世名人とSHOTESTは今回はサンドバッグになってしまいましたね。もう少し戦えるかという気がしなくもないですが、上位ソフトとちょっとだけの差があれば、やっぱり全部に負けますよね。そういうことだと思います。とりあえずは来期の奮起を期待。特に永世名人は、『マイコン』の名譜戦の頃(でしたっけ?)から知っているので、個人的には応援してます(笑)。
今年のコンピュータ将棋選手権優勝ソフトの激指が負けるという波乱があったが、棋譜を見る限り「負けるべくして負けた」という気がした。駒組みの段階からどこか変である。
東大将棋は貫禄の勝利。金沢将棋−銀星将棋戦は、振り飛車を指した銀星将棋が▲2五歩に△3三銀と受けるなど変調な駒組で、金沢将棋が自然に指して押し切った。途中、やや不利ながら穴熊の食いつきが見られるかとも思ったのだが……。
永世名人−柿木将棋戦は相穴熊。フラフラと出てきた永世名人の銀を捕獲して、以下は暴れる永世名人を切らして勝ち。
激指の敗戦は驚いたが(AI将棋さん失礼)、他はまぁ妥当な結果だったと思う。