コンピュータ将棋レビュー
第3回コンピュータ将棋学生選手権
大槻将棋−AI将棋は相振り飛車。飛車と銀桂の2枚替え、というところまではなんとも言えないが(少し無理だとは思う)、さすがに銀を捨てて角を成り込むというのは無理だったと思う。AI将棋は正確に応接し、難なく龍を作ってそのまま寄せ切った。
TACOS−礒部将棋は、相居飛車から礒部将棋が雁木の注文をつける。敵飛車の動きに乗じて金銀を盛り上げていく指し方をする礒部将棋に、TACOSは迷ってか水平線効果気味の動きを繰り返してしまう。その後、桂頭にスキができ、それを水平線効果気味に防いでいるうちに駒損が進み……とコンピュータ将棋ならではの一本道状態になり、そのまま礒部将棋が勝った。
永吉将棋−うさぴょんはうさぴょんの三間飛車。不用意に飛び出した永吉将棋の角を生け捕りにして優位に立つと、その後も疑問手を的確にとがめて差を広げる。こうなるともうどうしようもなく、うさぴょんが寄せ切った。
棋譜を見て気になったことが1つある。うさぴょんの43手目、▲6五飛はどうしてこう指すのだろう。おそらく「利きが多いから」とかそういう理由だと思うのだが、人間から見れば疑問手である。もちろんこれはうさぴょんに限ったことではないのだが、まだまだ「形」の概念は判らないようだ。
SPEAR−Sexy-AIはSexy-AIの中飛車にSPEARの8八玉型左美濃。スキありと見て仕掛けたのだろうが、さすがに振り飛車側から△2四歩は無理がありすぎた。先手に▲2八飛と戻られてみると、無条件で飛車先を破らせた格好になっている。そのまま飛車先を突破し、駒得を重ねたSPEARが勝利を収めた。
AI将棋と礒部将棋が順調に星を伸ばしていく。一方、Sexy-AIと永吉将棋はまだ片目が開かない。このまま行くと、上二強と下二弱が最終戦で雌雄を決することになる。1敗で追っているうさぴょん、TACOSにもまだチャンスはある。特にTACOSは次が対AI将棋戦。金星を上げることができるか!?