コンピュータ将棋レビュー

第2回コンピュータ将棋王者決定戦


●5回戦

 永世名人−AI将棋は相穴熊。永世名人の弱点である銀出の展開にはならなかったのでそこそこまともな展開に。しかし、▲4七金△4六飛に▲1五歩はもったいなかった。ここは無理をしてでも▲5六金とでて飛車をいじめたかったところだ。その後もねじり合いになったのだが、一歩ずつAI将棋が先を行っていた気がする。
 柿木将棋−激指は柿木将棋の四間飛車穴熊。△8六歩▲同歩△同角▲8八飛△7七角成▲8二飛成△6七馬という「そいつはまずいだろー」という変化に柿木が飛び込み、激指の必勝形に。ところが最後の最後、寄せ間違いが起こって大逆転した。コンピュータでもこういう事って起こるんだなぁ。
 銀星将棋−東大将棋は東大将棋の三間飛車。8八玉型左美濃というマイナーな戦法を採用した銀星将棋、途中、やや無理攻めを展開するが、▲4二角成に△5二金と上がったのがまずく、逆に東大将棋が不利っぽい感じになった。しかし、△6五桂に▲4八金と当てたのがまずく(普通に▲6六歩でよかった)、陣形の乱れを突いた東大将棋が勝利した。
 金沢将棋−SHOTESTは金沢将棋が四間飛車から玉頭銀。玉頭銀が殺されて銀桂交換になった時はどうなるかと思ったのだが、逆に銀桂交換をし返して駒割りが五分に、そして手にした銀を▲8二銀と打ち込んで駒得……といった振り飛車らしい展開でそのまま勝ち切った。

 柿木将棋vs激指の1敗対決は奇跡的な逆転劇で柿木将棋が勝利し生き残り。東大将棋、AI将棋も星を伸ばし、3ソフトの争いがクローズアップされる。とはいえ、2敗の激指、金沢将棋はそれぞれ東大将棋、AI将棋との対戦を残しており、直撃すれば逆転優勝も夢ではない。柿木将棋は次の東大将棋戦が最後の難関。ここを勝てば優勝が見えてくる。

 

永世名人 vs AI将棋



柿木将棋 vs 激指



銀星将棋 vs 東大将棋



金沢将棋 vs SHOTEST

  



広告主サイトもご覧ください。